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太陽系(圏)の端の謎



ついにNASAの探査機が、太陽系(圏)の端からの情報を入手した。NASAの探査機が垣間見た太陽系の端は、これまで科学者たちが考えてきたものと、まったく異なっていた。

2008年10月、NASAは、すでに太陽系の端に到達しているボイジャー1号、2号と連携して、太陽系の端の謎を探る目的のIBEX探査機(星間境界探査機:Interstellar Boundary Explorer)を打ち上げた。今回この探査機の観測で、我々の太陽系は、これまで考えられていたより遥かにゆっくりと移動していることが判明した。そして、太陽系の端に存在するとされてきた、「ボウ・ショック」と呼ばれる衝撃波の壁が存在しない事実も突き止めた。

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IBEX探査機の主要な目的の一つは、「ボウ・ショック」の観測だった。「ボウ・ショック」とは、太陽からのプラズマ風が形成するシールドのような衝撃波の壁で、航空機が音速の壁を越えたときに形成される「ソニック・ブーム」と似ている。つまり、太陽系は宇宙規模のソニック・ブームを起こせるほど早くは、移動していなかったのだ。

ここ四半世紀の間、科学者たちは、太陽系が十分にボウ・ショックを形成できるだけのスピードで、星間を移動していると考えてきた。IBEX探査機により観測された太陽系の星間移動速度は、時速 約52,000マイル(83,683km)で、大まかにこれまでの考えより時速7,000マイル(11,265km)ほど遅かった。この速度では、衝撃波ではなく、せいぜい波を作れる程度であるという。

ちなみにボウ・ショック自体は、恒星系の移動速度が早ければ確実に形成されるもので、多くの恒星系で実際に観測されている。


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ボウ・ショックの形成に、もう一つ影響を与えているものが、星間物質が持つ磁場の圧力である。IBEX探査機やボイジャーの観測から、星間物質の持つ磁場は強力で、このことがボウ・ショックの形成に、より速いスピードを要求しているという。これら二つの要因より、ボウ・ショックは起こり得ないのだ。

これまで太陽系のモデルは、常にボウ・ショックを形成していることが前提にされていたため、この新しいデータは、太陽系研究に大きく影響を与えるかもしれない。すでにIBEXは、太陽系外からの宇宙線を観測しているが、太陽系の形成過程などを知る上で重要な知見が得られつつある。

IBEXは、地球の軌道上で水素、酸素、ネオンの三種類の原子を検出している。これらの星間原子は、古い星々による副産物で、恒星風として星間を吹き抜けているものだ。宇宙誕生時におけるビッグバンでは、水素とヘリウム原子のみが形成されたため、これより重い原子は、すべて恒星で形成され超新星爆発で星間に吹き飛ばされたものである。つまり、星間物質を調べることで、太陽や恒星の中で起こっていることや宇宙の進化に関する情報が得られるのである。

IBEXによると、恒星風の中では、20個のネオン原子あたり、74個の酸素原子が検出された。ところが、太陽系内では、20個のネオン原子あたり、111個もの酸素原子が検出されている。つまり、我々の太陽系は、周囲の星間環境と多少異なっていることが判明したわけだ。

太陽系は、現在の場所と比べ、より酸素に富んだ空間で形成されたのかもしれない。しかし、生物に由来する酸素が宇宙空間の物質に取り込まれた可能性も否定はできない。だが、この酸素が宇宙空間に自由に出ていくことは不可能に近い。これらの疑問にも、近いうち答えが出されるかもしれない。


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